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北海道芸術高等学校(通称:北芸)の札幌サテライトキャンパスで声優コースを専攻していたAさん。卒業後は声優の枠にとらわれず、常に自分がやりたいことに向き合い、活躍の場を広げ続けている。
2017年3月に北芸を卒業後、同年4月には上京し芸能プロダクションに所属。芸能業界で様々な経験を積んだ後、地元の札幌に戻る。
2020年には『初音ミク』を生んだクリプトン・フューチャー・メディアに就職し、イラストレーターや音楽クリエイターの方々の活躍する場を盛り上げる業務に専念。
今年2024年からはクリエイターのための日本最大級のプラットフォームを運営するピクシブ株式会社に転職。これまで以上に密接にクリエイターの方々と関わり、その作品の数々をよりグローバルに展開していくことに全力を注いでいる。
また、副業として地元札幌の『すすきの祭り』のメインMCや、その他イベントでの司会を務めるなど、自身が表舞台に立つ活躍も継続中。
「本当に自分がやりたいこと」を自身に問いかけ、実際に行動に移しキャリアを積んできたAさんは、まさに憧れの先輩だ。
仕事の詳細についてはvol.2のインタビューでお届けしたいと思うが、一体どんな高校生だったのか、今回は彼女の北芸時代に迫っていきたいと思う。

Q. まずは北海道芸術高等学校に入って良かったと思うことを教えてください。
たくさんあるのですが2つあげさせていただくと、ひとつ目は自己アピール方法やコミュニケーション能力が磨かれたことです。
どうしたら人に良い印象を与えられるか、どういう話し方をしたら相手に想いが伝わるのか、どういう見せ方をしたら自分のしたいことをよりたくさんの人に応援してもらえるのか、などの多くのことを北芸の演技の勉強、話し方の勉強から学びました。
学んだことを応用することで社会に出てからも役に立ち、自分にとって大きな財産となっています。
もうひとつは、自分で何かを本気でやりたい思ったときの考え方や動き方。いわゆる企画力ですね。北芸の授業やイベントなどで自分で考えて提案し、トレーニングや経験を積むことで身についていったと思っています。
今、企画職として働いているのですが、どのようにチームワークを発揮するか、どうやったら人を感動させたり面白いねと言ってもらえるのか。企画にも通じる考え方・取り組み方は、全て北芸で学んだと思っています!
Q. 企画と言えば、卒業後実際に母校に持ち込んだイラストコンテストについてお聞かせください。
はい、北芸を卒業して2社目の勤め先、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社(以下、「クリプトン」と記載)に在籍していた際に、会社を代表するバーチャルシンガー『初音ミク』をはじめとするピアプロキャラクターズとコラボしたイラスト企画を3回ほど持ち込ませていただきました。
クリプトンでの私の仕事は、ピアプロキャラクターズのグッズやイベントの企画。もともと設定年齢14歳のバーチャルシンガー『鏡音リン・レン』が2021年12月27日に14周年を迎え、「鏡音リン・レン Happy 14th Birthday」という大きなプロジェクトを進めていました。
そのプロジェクトの中のひとつとして、学生の子たちからイラストを募集する取り組みができないかと考えていところ、北芸のマンガ・イラストコースが頭をよぎったのです。芸高グループでは「中学生イラストグランプリ」を行っていましたし。これらを組み合わせて面白いことができないかとご提案させていただいたのがはじまりでした。

当初、鏡音リン・レン Happy 14th Birthdayコラボ企画 「中校生クリエイティブコンテスト」の企画を北芸に持ち込んだ際は、自身の思いを丁寧に伝えさせていただきました。
自分自身が在校していた際にコースに関わらず、自分の作品を披露する機会が欲しいとか、実績に繋がるようなことをしたいと思っている子たちがすごく多かったのが印象的で。だからこそ、そういう想いを持っている若い人たちに対して力になりたいという気持ちが大きかったのです。
ただ、かなり大規模なコンテストだったので、どこまで実施できるか正直ドキドキしていました。不安もあったのですが、先生方は私の想いを汲んでくださって、二つ返事で「いいよ、やろう!」って言ってくれたのです!とても嬉しかったですね。
その時、北芸在学中に企画を持っていった放課後の風景などが頭をよぎり、何年経っても先生方とこういう関係性でいられることに感動したのを覚えています。

2021年12月27日のコンテストが実現した翌年、2022年9月17日には「初音ミク イラストメイキング講座」をオンラインで開催しました。ネットで活躍しているイラストレーターさんを招いて、芸高グループの高校生と体験入学に参加した中学生限定で、ライブでイラスト制作の様子を配信したのです。みなさんの大きな刺激になったと思います!

さらに2023年には、2回目のイラストコンテストを実施。設定年齢16歳のバーチャルシンガー『初音ミク』が2023年8月31日に16周年を迎えるのに合わせ、初音ミク Happy 16th Birthdayコラボ企画「高校生クリエイティブコンテスト」を開催しました。
全国から作品を募集する大きなコンテストを自分の母校と協力して実現できたことは、今思い返しても大きな喜びと達成感がありました!

Q. それでは北芸時代についてお尋ねしていきます、まずは入学した経緯を教えてください。
中学生の頃から、歌や演劇など体を使った表現が好きでした。どこかで習っていたわけではないですが、いわゆる学習発表会などの演劇がある際は、いの一番に主役に手をあげていました(笑)。歌うことも好きで、週4回くらいは放課後にカラオケに行っていたと思います。
そんな中学生でしたので、将来の進路として声優・俳優という職業を目指すようになり、人よりもいち早く専門的な技術の勉強ができる高校を探しはじめ、芸術科目を専門的に学べることができ、かつ高卒資格も取得できる通信制高校の北芸と出会ったのです。
他の高校も含め体験入学に行きましたが、北芸を選んだ決め手になったのは先生や先輩の姿でした。個性あふれる先生方、そしてやる気に満ちた目をした先輩たち。仲間でありながら闘志を燃やしている様子が見てとれて、負けず嫌いの方が多いと感じました。こういう環境下に身を置けば、自分もステップアップできる!そう思い入学を決めました。
Q. 実際に北海道芸術高等学校に通ってみていかがでしたか?
1番印象的だったのは、すごく自由だということ!
規律がないとか好き勝手に放り出されているという意味ではありません。自分がやりたいと思ったことに対して、チャンスを与えてくれるという意味です。
例えば、私は演劇がやりたかったので、クラスメイトと演劇をやる場所が欲しいと先生に相談しました。すると「こういう会場があるよ、ここなら他のコースも一緒に発表会ができるかもしれないよ」など、先生から提案してくれました。
また、自分たちで映像作品の制作にチャレンジしたいと思った時は、授業とは別途、放課後の1〜2時間を使ってみんなで自主制作で映像作品を作る時間を設けてくれたのです。やりたいことに対して、授業の時間外でも先生が協力してくれてとても嬉しかったです。
もちろん先生方が全部お膳立てしてくれるわけではありません。自分がやりたいと思ったことをしっかりと説明し、そのうえでこういうものを学校で用意してほしい・協力してほしいと相談していました。
そういった、チャレンジを受け入れてもらいやすい環境に自由を感じました!

Q. クラスメイトとの関係はいかがでしたか?
高校生の時点で学びたいことが決まっている仲間たちでしたので、当然ながらやる気のある子ばかり。良い所を認め合いながらも競い合える関係で、そういった環境は大きな魅力だったと思います。
私はすぐに好きなことを見つけてしまう高校生で、北芸時代から「○○をやりたい!」と声を上げるタイプでした。良くも悪くも同じことを継続するのが苦手で飽きっぽく、いろいろと言い出しっぺでみんなには迷惑をかけたと思います(笑)。
でも私が何か提案すると「私はこれがいいと思う」「俺はこれが得意だからここをやるよ」など、みんな賛同しながら意見を出してくれて、アイデアを持ち寄ってひとつの形あるものを創り上げることが多かったです。やる気のある仲間たちとの日々はとても刺激的でした。

Q. 最後に北海道芸術高等学校の魅力を教えてください。
私にとって、高校生という大人になっていく段階で、大切な人間性を培ってくれた場所。
先生方と距離が近く、何か悩みがあってもすぐに相談できることは大きな魅力でした。先生方は、間違ったことをしてしまった時はしっかりと注意してくれますし、怒るだけでなく、ちょっとしたことで褒めてくれたりと、本当に密にコミュニケーションを取ってくれました。
北芸でひたむきに授業や仲間と向き合い、そして自分のやりたいことを積極的に先生方にぶつけてきた経験が、結果として今のキャリアに繋がり、活かされています。
当時思い描いていたよりさらに良い景色が見れているのは、北芸で過ごした時間が土台になっていると、今、改めて感じています!
Aさんの就職や仕事については、vol.2の記事でお届けします。
俳優・声優を目指していたが仕事の幅を柔軟に広げていったのは、社会に出てより多くのことに興味を持ったから。そして、興味を持てることを見つけるために、まわりに目を向けることの大切さも教えてくれます。
将来に迷っていても大丈夫、大変なこともあるけれど、世の中には面白いことがたくさんある。そんな、社会に出ることが楽しみになる内容です、お楽しみに!
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