
アニメやマンガ、映画などが好きな人はもちろん、近年はSNSが開いた「推し活」や「好きなものを好きと言っていい」文化の影響で、声優は今や若者の憧れの仕事のひとつとなっています。声優を目指したいなら早いうちから行動すると様々な点でメリットがあります。この記事では、声優になりたい中学生・高校生向けに、高校選びから声優の仕事を見据えた進路まで、具体的な情報を紹介していきます。
声優とは?声優の仕事には何がある?
声優とは、声を使って様々な役割を演じる仕事です。アニメのキャラクターを演じる声優が若者の間ではとくに人気ですが、そのほかにも声優には幅広く活躍の場がありますので、いくつかご紹介します。
アフレコ
アフター・レコーディング(after recording)の略で、先に制作されたアニメや映画、テレビ番組などの映像に合わせてセリフや音を録音する作業で、声優はそのセリフを演じます。ゲームなどキャラクターのセリフの吹き込みも人気です、個性のある声質・表現が求められます。
吹き替え
海外映画や海外ドラマの映像に合わせて日本語のセリフを吹き替える仕事です。原語の感情を正確に伝えたり、キャラクターの個性を再現します。原語の演技に合わせ、キャラクターが話しているように見せる高度なスキルが必要です。
ナレーション
テレビ番組やCM、ラジオ番組などで声による解説を行う仕事で、ナレーターとも呼ばれています。求められる世界観に合わせたり、視聴者を引き込ませる説得力のある解説ができるスキルが必要です。
アナウンス
ニュースや情報を分かりやすく伝えるの仕事です。テレビやラジオなどのメディアから、デパートや美術館などの施設、電車やバスなどの交通機関まで、幅広い現場で需要があります。
イベント司会
イベント司会者はMC(エムシー)とも呼ばれ、進行役としてイベントを成功させる役割を担います。大勢のなかでも聞き取りやすい声、会場を盛り上げる力、タイムスケジュールに沿っての進行などを求められます。アニメやゲーム関連のイベントから、音楽イベント、スポーツイベント、展示会や博覧会、企業のプロモーションイベントなど、その現場は多岐に渡ります。
ラジオパーソナリティ
ラジオ番組の進行や司会を行う仕事です。情報を伝えながらも巧みなトークを行ったり、ゲストから話を引き出したりと、アドリブ的な発想や会話力が必要です。リスナーを引きつける個性でファンを獲得し、仕事の幅を広げることも可能です。
歌手
声優として活動しながら、音楽アーティストとして歌手活動も行う仕事です。アニメやゲームの主題歌や挿入歌、キャラクターソングなどを歌ったり、ライブやコンサートに出演したりします。歌だけでなくダンスやビジュアルで人気を博し、アイドルとして活躍する人もいます。
舞台役者
劇場のステージで、演劇やミュージカル作品に出演する仕事です。 声優と舞台役者はどちらも表現者として演技をする仕事ですが、主に録音スタジオで演技をする声優と異なり、舞台役者は観客の前で全身を使って演技をします。

声優になるには何が必要?求められる能力とは?
声優になるには生まれ持った声質や才能ではなく、努力による能力が道を拓いてくれます。求められる能力を知り、今からできることに取り組んだり、今後の進路を本気で考えてみましょう。
正しい発声
声優はまず基本として、聞き取りやすい発声を求められます。いくら声を大きく出しても、聞き取りにくい発声では伝わりません。滑舌をよくして、口をしっかり開けて発声することが求められます。そのほか日本語の正しいアクセントやイントネーションの習得や腹式呼吸など、専門的な指導を受けて基礎を身につけることが必要ですので、声優養成所や学校などで学びましょう。
表現力・演技力
声優には、まず表現力や演技力が必要です。声だけでキャラクターやナレーションを演じるため、声の抑揚や大きさ、息づかいなど、細かい調整に対応できる表現力・演技力が求められます。頭の中でイメージができていても、それを声に出して表現するのは非常に難しいこと。表現力・演技力に関しても専門的な指導を受ける必要があります。
読解力
声優には、台本を理解して読みこなす読解力が欠かせません。台本に書かれているストーリーの流れや、作品が伝えようとしている方向性を正しく理解する必要があるためです。また、自分が担当するキャラクターの感情を的確に理解し、自分の個性を生かした表現力で、感情豊かに演じる必要があります。読解力を鍛えるには読書が効果的です、普段から本を読む習慣を取り入れるとよいです。
想像力
台本を深く理解する読解力だけでは、キャラクターの心情を推し測ることは難しく、何気ないセリフなどからキャラクターの性格や感情を読み取る想像力が必要です。セリフひとつとっても、その時の場面、相手との距離感、言葉ではこう言っているが本当の内面など、様々な想像力を働かせて演じる必要があります。
感受性
声優は声だけで感情を表現する必要があるため、感情のバリエーションの引き出しが多く、どんな場面でも人の心を動かすような演技ができる声優は重宝されます。読解力・想像力ともまた違ったもので、繊細な感受性も加わればキャラクターをより深く表現でき、魅力的に見せることができます。
コミュニケーション能力
声優が関わる映像作品は、多くの人が携わって制作されるため、円滑なコミュニケーションが取れる必要があります。監督やプロデューサーの指示を正確に理解し、疑問があれば質問をしたり、共演者との掛け合いでもコミュニケーションによって演技の相乗効果を生み出すことができます。はじめのうちは発言しづらいかもしれません、笑顔やリアクションを意識するところからはじめ、周囲の人に協調性を持って接すよう努めましょう。
自己管理能力(体調管理)
声優は声が資本です、仕事でもオーディションでも声がかすれてしまっては台無しです。風邪はもちろん、大きな声を出してしまった、朝方まで起きていたなどの体調不良で喉を痛めないように気をつけましょう。マスクやこまめな喉の保湿は、風邪などのウィルスにも効果的と言われています。
また、本番に穴を開けてしまったら、周囲の人に多大な迷惑をかけてしまいます。プロ意識を持って、どの現場でも万全の体調で挑めるように、自己管理能力を身につけましょう。
営業力・マナー
声優事務所などのプロダクションに所属後も、仕事を獲得する努力を続けなければならないのが声優という厳しい世界です。プロになってからも役を得るためにはキャストへのオーディションの参加が必要で、さらに言えばプロダクション内で選考されて、やっとオーディションの舞台に立てます。まずは舞台に立てるよう、自分からアピールしてプロダクションのマネージャーなどに実力を知ってもらう必要があります。オーディションの監督や過去作品などの情報収集をして、コミュニケーションを取るのもよい方法です。また、一緒に仕事をしてよかったと思えるようなマナー、人柄も大切です。少ない機会を逃さずに仕事を得られるよう、営業力・マナーを身につけましょう。
声優になるには?資格はいる?何年かかる?
声優になるための資格はありません、声の表現力や演技力で勝負する世界です。声優になるとは、所属オーディションを受けて合格し、声優事務所に所属が決まることです。事務所の所属に行き着くまでに最短でも2〜3年、専門的な学びが必要です。現段階でどうすればよいのか、選択肢や手段をご紹介します。
養成所に入所する
声優事務所などが運営している養成所に入所し、発声方法や演技力を学びます。この場合は、基本的にその養成所を運営している声優事務所の所属オーディションを目指す流れになるので、将来所属したい声優事務所がまだはっきりと決まっていない場合は、しっかりと選ぶ必要があります。
専門学校に通う
声優を目指すための技術や知識、具体的な目標などがまだない場合は、声優コース/声優科のある専門学校に通い、声優になるための基礎を身につけましょう。専門的な教育・設備の充実している専門学校で、声優になるための技術を習得しながら声優業界についての知識も深めれば、将来像もはっきりしてきます。卒業後の進路は、自分の入りたい声優事務所が運営する養成所に所属を目指しましょう。
通信制高校に通う
専門学校よりも早く声優への道を歩むことができるのが、声優コース/声優科のある通信制高校です。中学生・高校生の時点で声優をなりたいと決まっているのであれば、専門学校と同等の教育・設備が整う通信制高校で学ぶことができます。多様性が重視される今の時代、通信制高校に進学し、若いうちに専門的なことを学ぶ生徒が増えています。声優コース/声優科のある通信制高校なら進路のサポート体制も抜群です。声優業界はより若い声優を求めているため、早期に挑戦できる環境は、大きな武器となります。高校選びのポイントは次項で詳しく解説します。
その他、新人発掘オーディションなどの一般応募や、所属オーディションとは別に声優事務所が開催する、アニメや映画など作品のキャストを決めるための出演オーディションなどに個人で参加するチャンスもあります。しかしそこで合格をしたり、審査員の目に留まるのはとてつもなく狭き門。未経験者が独学で勝負するのは非常に厳しいと言えます。
自分の学びはじめたいタイミングに合わせて学校に通って能力を高め、卒業後に養成所に入所し、そこからも努力して憧れの声優事務所への正式所属を目指しましょう。

声優になるには中学生・高校生からの進路が大事!高校選びのポイントを解説!
声優コース/声優科のある通信制高校に行くのがおすすめ!
人よりも早くスタートを切りたい人は、声優コース/声優科のある通信制高校がおすすめです。専門学校より3年も早くスタートを切ることができるので、高校生という若いうちにプロの指導で実力を磨き、様々な経験を積むことができます。芸術分野の能力を身につけるのは早ければ早いほど有利とも言われています。中学生や高校生の時点で声優になりたいと決まっているのであれば、最短での声優デビューを目指して高校から取り組んでみましょう。
声優になるための高校選びのポイント① プロから学べる
声優コース/声優科のある通信制高校なら多くの場合、現役のプロ声優たちが講師です。発声や演技、歌唱、アフレコ実習など幅広い技術と知識を学べる授業が用意されており、プロの現場経験に基づいた実践的でわかりやすい指導を、高校生のうちに受けることができます。未経験でも初心者でも大丈夫、講師陣は生徒一人ひとりの持ち味を生かし、それぞれにあった表現力を伸ばしてくれます。
声優になるための高校選びのポイント② 多くの時間を声優になるための学びに使える
専門科目が学びのメインとなる通信制高校では、週5日間のうち半分以上が声優など専門科目の授業になります。普通科目は登校せずにオンライン授業などを交えて短時間で習学するため、声優に特化した授業に多くの時間を使えます。3年間という貴重な高校生活、やりたいことに思いっきり力を注ぎましょう。また、通信制高校では全日制と同じ高校卒業資格の取得が可能なため、卒業後の進路も大きく開かれています。多くの通信制高校では普通科目のほか、声優に特化した専門科目も単位認定されます。
声優になるための高校選びのポイント③ 本格的な設備で学べる
声優コース/声優科のある通信制高校なら、防音環境の声優スタジオが完備されており、専門学校のように本格的な設備が揃っています。コンデンサマイクなど、専門的な機材も現場で使われているプロ仕様。録音収録が可能なためアフレコのレッスンも現場さながらの空気感で行うことができ、本気でプロ声優を目指す環境が整っています。

声優になるための高校選びのポイント④ 協調性やコミュニケーション能力が養える
声優コース/声優科の授業では、アフレコでの掛け合いもちろん、複数名で組んで演劇を披露するレッスンなどがありグループやチームで演じることが多いため、自然と協調性、コミュニケーション能力が培われていきます。また、学びの成果を発表するイベントなどを用意している通信制高校がほとんどです。例えば生徒たち自身でひとつの演劇をつくりあげて披露する発表会など、観客の前で演じることで、舞台に慣れたり、仲間とより深い信頼関係を築いたりと、若いうちに多くを得ることができます。
声優になるための高校選びのポイント⑤ マナーなど社会人として必要なことも学べる
専門的な学びを提供している通信制高校では、卒業後の進路(進学・就職)を視野に入れ授業を組んでいるため、発声・演技・歌唱・アフレコ実習などの実践授業のほか、声優業界についての知識や、社会に出た際に必要なマナーや心得、対人関係についても学ぶことができます。また、声優業界や声優事務所との連携体制が整っている学校であれば、進路のサポート体制も抜群なので、若くして社会に出る不安点など、なんでも先生に相談できます。学校全体での親身なサポート体制は通信制高校ならではです。
声優コースのあるおすすめ通信制高校「芸高グループ」
芸高グループは、学校法人恭敬学園が運営する北海道芸術高等学校をはじめとする、以下5つの学校(6つのキャンパス)で構成される、芸術分野の専門性に特化した学校です。
<芸高グループ>
北海道芸術高等学校
札幌サテライトキャンパス
東京池袋サテライトキャンパス
福岡芸術高等学校
東北芸術高等専修学校
横浜芸術高等専修学校
愛知芸術高等専修学校
声優コースは全てのキャンパスに設置されています。未経験でも初心者でも、自信がなくても大丈夫。「声優になりたい、アイドルになりたい」という気持ちを重視しています。中学校卒業以上であれば入学に年齢制限はなく、いつでも転入学・編入学可能です。中学校卒業後の一般的な4月の入学のほか、現在高校に通っている人も高校を退学した人も、転入学・編入学できます。
芸高グループでは、複数の声優事務所や養成所の方に直接演技を審査をしてもらえる「学内オーディション」を授業として取り入れています。毎年夏に開催し、40社以上のプロダクションが参加。来校しての審査、近年はビデオ審査などが行われています。この学内オーディションをきっかけに養成所の所属が決定する生徒も多いです。ほかにも先生や講師の方が演技の発表の場や外部オーディションなどを紹介してくれますので、3年間の間にたくさんのチャンスがあります。

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> 東京で声優コース/声優科のある通信制高校なら「北海道芸術高等学校 東京池袋キャンパス」
好きなことだからがんばれる、一緒に歩んでくれる先生や仲間がいる。
芸高グループは、一人ひとりの個性や夢を応援してくれる場所です。
参照:北海道芸術高等学校 https://www.kyokei.ac.jp/
※本サイトは、芸高グループの生徒や先生にインタビューを行う機会をいただき、独自取材の記事で芸高グループを応援する個人運営サイトです。
> 生徒たちの様子がわかるInstagramはこちら
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