
K-POPやダンスオーディション番組、気軽にトライできるTikTokなどの影響で、ダンスが身近になった近年。なかでもプロダンサーのパフォーマンスに感動してダンスに興味を持った人も多いでしょう。この記事では、本気でダンスに取り組みたい、プロダンサーになりたい中学生・高校生向けに、プロとして活躍するにはどんな能力が必要なのか、どんな仕事があるのか、そしておすすめの進路まで、ダンサーを目指すための具体的な情報を紹介していきます。
ダンサーの種類は?就職先・仕事内容は?
プロダンサーとは、ダンスパフォーマンスで人に感動を与える表現者です。パフォーマーを目指す人が多いと思いますが、そのほかにもプロダンサーには様々な種類の仕事がありますのでご紹介します。
ステージダンサー
ステージダンサーは、舞台でダンスパフォーマンスをして盛り上げ、観客を魅了する仕事です。ステージと言っても、劇団四季のようなミュージカルの舞台からコンサート会場、クラブやレストランまで、活躍の場は多岐にわたります。ジャンルに関してもクラシックバレエ、日本舞踊、ストリートダンスなど幅広く、ダンスのスキルだけでなく、観客に感動を与える高い表現力が必要です。
パークダンサー(ディズニー、ユニバなど)
パークダンサーは、東京ディズニーリゾートやUSJなど、テーマパークや遊園地でショーなどのダンスパフォーマンスを行う仕事です。ショーの種類によって現場で求められるスタイルは違うため、ジャズやヒップホップ、クラシックバレエなど、幅広いジャンルを踊れるスキルが重視されます。
バックダンサー
バックダンサーは、アーティストやダンサーなど、メインの出演者の後ろでダンスをする仕事です。演目のテーマや構成、振り付け、フォーメーションを頭に入れ、柔軟に対応できるスキルが求めれます。また、複数人で息の合ったダンスを披露するため、協調性も必須です。
振付師
振付師(コレオグラファー)は、ダンサーや歌手などの振付を考案して指導する仕事です。ダンサーや歌手の振り付けを手がけるだけでなく、振り付けを教えることで、パフォーマンスのクオリティを向上させます。基本的にプロダンサーとして一定の経験を積んだ人が振付師として活躍しています。
ダンスインストラクター・ダンス講師
ダンスインストラクターやダンス講師は、ダンス経験を活かしてダンスを教える仕事です。職場はダンススクールやダンススタジオ、スポーツジム、学校など。自分でスタジオを借りてダンススクールを運営する人もします。踊り方だけでなく、振り付けやフォーメーションの指導、ダンス音楽の選定や編集も行います。
その他、CMやプロモーションビデオ、映画、ドラマ出演などの仕事もあります。経験を詰めば舞台の企画・演出、審査員など、さらに活躍の場は広がります。
また、プロダンサーとしての働き方は、劇団、テーマパーク、ダンススクールなどプロダクションなどに所属するのが一般的ですが、オーディションなどの実績があれば、フリーランスや自分たちで組んだダンスグループやチームでも活動可能です。今は具体的な将来が描けていなくても、ダンスへの情熱があれば道は拓けるはずです。

ダンサーになるのに資格はいる?
プロダンサーになるために必要な資格はありません。就職時などに資格を求められることはほとんどありませんが、自分のスキルの把握や、スキルの証明に使うこともできますので、個人でも受験できる資格をご紹介します。
ストリートダンス検定
ストリートダンスの検定には、一般社団法人ストリートダンス協会が実施する検定と、エイベックスが実施する検定があります。
・ JSDA検定(一般社団法人ストリートダンス協会)
・エイベックス・ストリートダンス検定 (エイベックス)
ストリートダンス検定はダンスの技能を段階的に評価する検定で、自分がどのレベルなのか把握できます。初心者も受けられるので、検定を機に自身のレベルを知り、腕を磨くきっかけにしてもよいでしょう。
認定ダンス指導員/ダンス教育指導士
ダンスの指導者を目指す人には、一般社団法人ダンス教育振興連盟JDAC(ジェイダック)が各種ライセンスを認定・発行しています。
・認定ダンス指導員
・ダンス教育指導士
・その他、ダンス療育指導士などの専門資格
ダンス教育の技術や知識を証明する資格である認定ダンス指導員は、初級/2級/準1級/1級があります。ダンスと教育の両面での指導力を証明する資格であるダンス教育指導士は、ダンス教育指導士Basicがダンス指導者のメイン資格と言われています。その他、Advance、Expertなどがあります。ダンスインストラクターやダンス講師をめざす方におすすめです。
ダンサーに求められる能力は?
生まれつきダンスの才能がある人はひと握り。プロダンサーとして働くには、才能ではなく、努力による能力が道を拓いてくれます。ダンサーに必要な能力を知り、今からスキルや感覚、感性を磨きましょう。
身体能力
全身を動かすダンサーには、高い身体能力が求められます。とくに体幹がしっかりと保たれていることは必須で、インナーマッスルを鍛えることが重要です。その他、体の柔軟性、筋肉の瞬発力と持久力、バランス力、調整力など、人の心を動かすダンスをするには、まず基本的な身体能力を高める必要があります。
ジャズ、ヒップホップ、バレエなど多彩なジャンルの習得
前述のパークダンサーの部分でも紹介したとおり、現場では様々な要望が出されることが多いため、ジャズやヒップホップ、バレエなど、幅広いジャンルの基礎を習得することが必要です。得手不得手はあると思いますが、それぞれ表現が全く異なるので、表現力や対応力が高まります。また、ダンサーとして幅が広がり、その分だけ仕事のチャンスも多くなります。
表現力
ダンスは芸術表現の一形態であり、美しさや感情を表現する能力が求められます。自分の感情や思いをダンスで表現できることはもちろん、どんな現場でも音楽や振付、ストーリーの意図を理解し、ダンスに反映させるスキルが必要です。イメージをスムーズに実行できる身体の使い方や、音楽への感性を磨くことで表現力を養うことができます。
リズム感
ダンサーは音楽に合わせて踊るため、リズム感が必須です。音楽と動きがぴったりと揃うように踊ることで、ダンスの完成度が向上します。また、グループで踊る際にも、リズム感がなければ全体のバランスを崩してしまいます。リズム感を鍛えるには、様々なジャンルの音楽を聴いたり、リズムに合わせて体を動かしたり、裏拍を意識したりと、日常生活で意識的に取り入れてみましょう。
自己管理能力
常にベストなパフォーマンスを発揮するために、ダンサーにとって自己管理能力は欠かせません。ケガや身体の故障を防ぐために、日々地道なトレーニングを行う必要があります。食事や睡眠、休息時間なども計画を立て、心身のケアに努めましょう。また、ダンサーはグループでパフォーマンスすることが多い仕事です。周囲の人に迷惑をかけないよう、どの現場でも万全の体調で挑めるように、自己管理能力を身につけましょう。
パフォーマンス経験
ダンサーは、パフォーマンス経験が豊富であればあるほど有利です。舞台慣れしておらず、もし本番で実力を発揮できなければ次の仕事にも影響してしまいます。若いうちからオーディエンスの前でのパフォーマンス経験をたくさん積み、集中力やメンタル力を鍛えましょう。また、様々なオーディションやプロジェクトに参加することで、新しいアイデアや手法に触れる機会を得ることができ、スキルの成長にもつながります。
人脈づくりと自己PR
ダンサーとして活動するにあたって、同じ志を持つ仲間を作り、人脈を広げることで、オーディションへの応募や新たなチャンスにつながる可能性が高まります。また、オーディションなどを通じて業界関係者と接触する際には、自身をアピールできる能力も必要です。ダンスへの想い・経験を効果的に相手に伝えるには、ありきたりな表現を避け、ダンスで自分の強みが発揮できた具体的なエピソードを伝えられると印象に残ります。
プロとしての心構え・マナー
プロダンサーはダンスが上手いだけでなく、スケジュール管理や演出家などの要求に対応する柔軟性など、仕事の対応力も求められます。本番以外でも、常にプロ意識を持って行動することが長続きの秘訣です。そして、挨拶や人を思いやる心を持ち、チームワークを大切にできるなど、また一緒に仕事をしたいと思ってもらえるよう、社会人としてのマナーも身につけましょう。
これらの能力を培うことが、プロダンサーへの近道です。最初は大変かもしれませんが、ダンスへの情熱を持ち続け、行動に移せることが成功の鍵です。今からでも意識をして、できることからはじめましょう。早ければ早いほど、その経験は積み重なり大きな武器となります。

中学生・高校生からダンサーを目指すなら授業でダンスが学べる高校への進学がおすすめ
ダンスコースのある通信制高校への進学がおすすめ
現在中学生・高校生の時点でダンサーになりたいと思っているのであれば、ダンスコースのある通信制高校がおすすめです。専門学校と同等の教育・設備が整う通信制高校なら、高校生という若いうちに、本格的なダンスのスキルや知識を習得することができます。専門学校より3年も早くスタートを切ることができるのは大きなメリットです。スキルの向上だけでなく、年齢制限のかかるオーディションに参加しやすいので、たくさんのチャンスに出会い、経験も積むことができます。ダンサーを目指す上で、高校生という早期に挑戦できる環境は、大きな武器となります。
ダンス未経験者でも大丈夫
若いほどよいということは、ダンススクールなどで幼い頃からの経験がないといけないのではと感じる人もいるかもしれませんが、高校生くらいからダンスをはじめたプロダンサーはたくさんいます。ダンサー/ダンスクリエイターとしてメディアに引っ張りだこのSAM(サム)さんは、15歳でダンスの面白さを知り、高校生になってから本格的にダンスを学んでいます。19歳で「全国フラッシュダンスコンテスト」で優勝後は単身ニューヨークへ。今は未経験者でも、ダンサーになりたいという強い気持ちがあれば大丈夫です。通信制高校では、個々のレベルに合わせた丁寧な指導を行っていますので、ダンス経験者も未経験者も実力を磨くことができます。
様々なジャンルのダンスをプロから学べる
ダンスコースのある通信制高校なら、特定のダンススクールやダンススタジオでは触れないような様々なジャンルのダンスを、現役のプロダンサーから学ぶことができます。自分の興味あるジャンルだけを習うのではなく幅広いジャンルを網羅することで、ダンスへの理解を深めたり自分の得意分野を発見できたりします。全てのジャンルを極めなくとも、ダンスの現場では様々な要望が出されることが多いため、幅広いジャンルの基礎を経験しておくことは重要です。経験豊富なプロダンサー講師陣から、授業のなかで実践的なスキルや知識を学び、ダンスの実力を飛躍的に成長させることができます。
プロ仕様の設備・施設
ダンスコースのあるほとんどの通信制高校には、ダンススタジオさながらの環境が用意されています。大人数でのチームダンスが可能な広さや、全体を見渡せる大きな鏡張り、そしてプロ仕様の音響設備&照明器具のセットなど、実際のステージなどを想定した空間・演出で、モチベーション高くレッスンやリハーサルに取り組むことができます。ダンスが好きな仲間たちと、思いっきりダンスに打ち込めます。

多くの時間ダンスに打ち込める
専門科目が学びのメインとなる通信制高校では、週5日間のうちほとんどがダンスなど専門科目の授業になります。普通科目は登校せずにオンライン授業などを交えて短時間で習学するため、ダンスに特化した授業に多くの時間を使えます。若い高校生はたくさんのレッスンをこなせるので、3年間で基礎体力もしっかりと身につきます。また、通信制高校では全日制と同じ高校卒業資格の取得が可能なため、卒業後の進路も大きく開かれています。多くの通信制高校では普通科目のほか、ダンスに特化した専門科目も単位認定されます。
発表会などパフォーマンス経験も積むことができる
本番で自分の実力を発揮するために必要なパフォーマンス経験。ダンスコースのある通信制高校なら、必ず生徒の成果を発表できる場を設けています。オーディエンスの前でのパフォーマンスは、舞台慣れできるだけでなく、仲間たちと協力することで、協調性やコミュニケーション能力も培われます。ダンスや音楽が好きな仲間たちとチームを組んでオーディションなどに参加も可能です。高校生のうちに貴重な経験を積むことで、自信や達成感を得て、心身ともに大きく成長できるでしょう。
社会に出るためのサポートも充実
専門的な教育を行っている通信制高校は、学校・先生方の進学・就職へのサポート体制が非常に整っていることも特徴です。ダンス業界とのつながりやオーディション/採用情報などが充実しているため、全日制高校と比べて将来を具体的に考えやすい環境です。また、授業ではダンスのスキルのほか、ダンスの知識・歴史を学んだり、マナーや心得など社会に出た際に必要なことも習得できます。高校生活で人間性も育み、現場で円滑な人間関係を築き、そして何より人々に感動を届けられる魅力的なダンサーを目指しましょう。
実際に高校卒業後すぐにフリーのダンサーになった卒業生がいる
実際に高校卒業後にフリーランスのダンサーとなり、ダンサー/ダンスインストラクターとして活躍し、世界的オーディション番組『アメリカズ・ゴッド・タレント』にも出演した、愛知芸術高等専修学校ダンスコースの卒業生の声をご紹介します。
『愛知芸術高等専修学校では、期待通り様々なジャンルのダンスを学ぶことができました。また、ダンスの歴史やバレエなど、踊るまでの基礎的なこともしっかり教えてくれましたし、仕事にする際の礼儀なども勉強させてもらいました。中学生の頃は人前に立つのが得意ではなかったのですが、愛芸ではアートコレクションと進級公演という1年に2回発表会があり、そこに自分の作ったナンバーを出して表現することがきっかけで、人前で踊るやりがいや楽しさを感じるようになりました。今やインスタクターとして、人前で踊って教えるまでに!踊ることも教えることも、心から楽しんでいます!』
※愛知芸術高等専修学校は通信制高校とのダブルスクール制度をとっています、詳細は以下にて。
ダンスコースのあるおすすめ通信制高校「芸高グループ」
芸高グループは、学校法人恭敬学園が運営する北海道芸術高等学校をはじめとする、以下5つの学校(6つのキャンパス)で構成される、芸術分野の専門性に特化した学校です。
<芸高グループ>
北海道芸術高等学校
札幌サテライトキャンパス
東京池袋サテライトキャンパス
福岡芸術高等学校
東北芸術高等専修学校
横浜芸術高等専修学校
愛知芸術高等専修学校
ダンスコース(またはダンス&ボーカルコース)は、北海道芸術高等学校/札幌キャンパス、福岡芸術高等学校、横浜芸術高等専修学校、愛知芸術高等専修学校の4つのキャンパスに設置されています。未経験でも初心者でも、自信がなくても大丈夫。「ダンスが好き、ダンサーになりたい」という気持ちを重視しています。
中学校卒業以上であれば入学に年齢制限はなく、いつでも転入学・編入学可能です。中学校卒業後の一般的な4月の入学のほか、現在高校に通っている人も高校を退学した人も、転入学・編入学できます。
6つのキャンパスのうち3つに関しては高等専修学校ですが、北海道芸術高等学校(通信制高校)とのダブルスクール制度を採用することで、全日制と同様の高校卒業資格の取得も可能となっています。そのため、進路の選択肢も広がっていますので、ダンサーを目指して心置きなくレッスンに取り組めます。SAM(サム)さんを特別講師に招いた授業など、実践的な指導を受け、夢に向かって本気で突き進める学校です。

💬 在校生の声はこちら
>【在校生インタビュー:Hさん】好きなことを仕事にしたい!ここは本気で夢を追える場所(横浜芸術高等専修学校)
>【在校生インタビュー:Kさん】ダンスからたくさんの大切なことを得た、今度は自分が素晴らしさを伝えたい!(愛知芸術高等専修学校)
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好きなことだからがんばれる、一緒に歩んでくれる先生や仲間がいる。
芸高グループは、一人ひとりの個性や夢を応援してくれる場所です。
参照:北海道芸術高等学校 https://www.kyokei.ac.jp/
※本サイトは、芸高グループの生徒や先生にインタビューを行う機会をいただき、独自取材の記事で芸高グループを応援する個人運営サイトです。
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