
「かつては学校での生徒たちの拘束時間がもったいないと感じていた。」
以前は全日制の高校で商業のクラスを担当していたI先生。
勉強よりもオシャレが好き!そういう生徒たちが多かったクラスだ。しかし校則は厳しく、まゆげを剃ったら反省文といったように、校内での縛りはすごかった。
I先生は、「例えばファンデーションをしたいのもコンプレックスを隠すため」など、個人的に生徒に対する理解もできたため、生徒にダメな理由を聞かれた際にちゃんと説明できない自分がいたと言う。
そして、オシャレが好きな生徒たちがまったく関心を示さない授業に、1日7時間を割いていることに疑問を感じはじめた。授業内容には全く興味がなく、「卒業してから美容の専門学校に行くのが楽しみなんだ!」と言う生徒たち。
今の高校生活は何なのだ、生徒たちに全くハマった仕組みができていないではないか。
生徒たちの拘束時間がもったいと感じていた。
疑問を感じながらの教員生活を続けるわけにはいかない。
一念発起して自分自身が挑戦したかった留学を検討したと言う。しかしコロナの時期と重なり留学を断念、新しい学校で教職に就くことにしたのだ。
学校を探しはじめて、北海道芸術高等学校グループ(以下、「芸高」と言う)を見つけた。
今思えば恥ずかしいが、その時は通信制高校に対してうがった見方をしていたと言う。全日制高校に何らかの理由で行けない子たちが行く場所なのではないかと。
しかし、芸高はそんな考えを打ち破ってくれた。芸高を知れば知るほど、生徒たちの「好き」を伸ばすような教育現場で、これまでの疑問が解消されたような気になったそうだ。
「私は芸高のいちファン!」
理事長とお話した際に、I先生は自分の感じたこと、芸高を素晴らしいと思ったことをそのまま伝えると、「10あるうちの1つくらいのかんじで、ウチがいい!とは思っていない、いろんな教育システムがあっていいんだよ」との言葉をもらったと言う。
その考えも素敵で、自分は今、学校のいちファンとしてこの場に身を置かせてもらっていると、I先生は微笑んでいた。
現在は福岡芸術高等学校(通称:福芸)で商業/地歴公民の教鞭をとりながら、ファッション・ビューティコースの担任としても励んでいる。実際に働いてみて、他の学校と比較しての1番の違いであり魅力は、「管理職と現場の先生との距離が近い」という点だと言う。
ここは現場の意見を汲み取ってくれる場所。だから、生徒のためにもっとこうしたら良いのではないかと意欲が溢れてくるし、挑戦ができる環境だそう。
過去のように「生徒のためにこうあったらいいのに…」と、空想で終わらない。だから考えたい。生徒のためにしっかりと準備をして、意図を伝えて提案すれば、意見が通ると言う。
実際にI先生は修学旅行を企画して採用された。芸高の歴史で修学旅行ははじめてだそうだ。生徒たちにとって、青春の1ページになるだろう。
そして、「ただの楽しい場所にはしない、成長できる場にすることが教師の役目」と、力強く言い切った。
I先生は、生徒に対して甘やかしだけにしないことを大切にしている。
厳しい社会に送り出すことを見据え、いつだって生徒たちの成長について思索しているのだ。

商業/地歴公民の先生なので、いろんな文化を知るのが好きというI先生。
人生は短いので楽しまなくてはと、長期休みは海外旅行に出かけるそうだ。人骨ミュージアムなど歴史を感じる場所を訪れたり、ダイビングの免許を持っているので海でアクティブに過ごしたり。
ちなみにI先生は、2023年から広報業務も担っている。
学校説明会での発信力は素晴らしいと評判だ。中学校、保護者の方々からも評価が高いそうで、これから益々活躍していくことだろう。
意外なことに、プライベートでは人見知り。2人きりで人と会う際は必ず聞き役にまわってしまい、自分のことは話せないそうだ。
また、中学時代は不登校、高校時代は人生に希望を持てず、大学時代は人前で話すのが大の苦手だったと言うから驚きだ。あまりに今の姿とかけ離れている。
今では学校の顔とも言える説明会を任されているほど、コミュニケーション能力の高いI先生。
次のインタビューでは、不登校だったことや苦手なことの克服方法について教えてもらおうと思う。きっとたくさんの生徒たちに勇気をくれるはずだ。
>【職員インタビュー:I先生 vol.2】中学生の頃は不登校でした。でも目標を持ってからは、人一倍準備して努力して、今の私が在る
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