【講師インタビュー:I先生】絵の勉強になるよう自分の世界を広げ、もっと面白いことに挑戦しよう!

ライブペイント

新横浜駅の壁画を担当するなど横浜を拠点に活動するイラストレーターのI先生。昨年から横浜芸術高等専修学校(通称:横芸)で講師としてイラストを教えている。そんなI先生にイラストレーターとしての生き様などを伺ってきた。

Q. まずは横芸の講師となった経緯を教えてください。

はい、私がとあるコンテストの審査員をしていた際に、横芸の校長先生とお会いいました。すると横芸の入学式に出て欲しいと言うのです。初対面なのにびっくり!しかも式辞をお願いされました。
不思議な方でおもしろい!そう思ったのが第一印象で、興味本位でそのまま承諾。昨年2023年のことでした。

入学式当日は、ライブペイントを披露。
イラストレーターの自分に求められているものを考えたとき、言葉ではなく、絵を描いて表現すべきだと考えたからです。横芸の先生方に許可を得て、ステージ上で絵を描いて新入生へ想いを伝えました。
何か感じ取ってくれたのかな、写真を撮ってくれた生徒たちがいて嬉しかったですね。

そこからの縁で、特別授業のオファーをいただいたのが、講師のはじまりでした。

Q. 講師として教鞭をとってみていかがでしたか?

まずは昨年、2つのプロジェクトに特別授業という形で参加しました。
1つ目は横浜市にある八杉神社のポスター制作でした。このプロジェクトでコーチングさせていただき、夏の暑い日に生徒たちとフィールドワークに出て写真を撮り、聞き取りをして、自分たちの足で素材を集めました。
完成後は町内の方々にプレゼンテーションをしたりと、人々と関わりながらの作品制作は、生徒たちにも新鮮だったと思います。

2つ目は運送会社のポスター制作でした。社長さんは生徒たちのプレゼンテーションを聞いて感動して大泣き!私ももらい泣き!とても良い経験をさせてもらいました。
ネットに溢れる情報のみに頼らず、直接人々と関わり作品を作り上げていく楽しさを、生徒たちと分かち合えたと思います。

今年2024年からはレギュラーで授業を持たないかとお話をいただき、即答で快諾!
高校生に専門的な授業をしたのははじめてでしたが、自分にとっても学びが多く、何より教えることが面白かったから。八杉神社のポスター制作は今年も依頼があり、進めていますよ。

横芸の生徒たちは授業の反応も取り組む姿勢も良いですよ!次の授業に来た際に、「もうここまでやっちゃったの!?」という感じの時もあります(笑)。
今年からレギュラーになり継続して関わっているので、生徒の成長が身近に感じられて嬉しい限りです。

楽しく講師をさせてもらってます!
楽しく講師をさせてもらってます!

Q. イラストレーターとして成功するまでのお話を教えてください。

教育大を卒業後、5年間ほど小学校の先生をしていました。その間、趣味程度でイラストを描いていただけなのですが、イラストレーターになりたい!と一念発起、学校を辞めました。

そこから2年くらいは無職で主夫でした。
フリーランスなので、自分で200社くらいに営業して、やっと1、2社から連絡があったり。でも仕事には繋がらなかったり。そんなレベルでした。
それでも営業を続けたり、コンテストに出品したりして、イラストレーターという憧れの世界にいることを楽しみました。

売れなくても、絵を描くことが辛いと思ったことは一度もなかったんです、楽しい毎日でした。以前はネガティブだったのに、好きなことをしているからか、不思議とポジティブになっていましたね。
今も現役の小学校の先生である妻は、当時、「私が稼ぐから好きなことをして」と言ってくれました、もう感謝しかないですね。

そんなこんなで絵を描き続け、営業を続けているうちに、お仕事をいただき、徐々に依頼が増えて行き、横芸の最寄り駅、新横浜駅の壁画を描かせていただいたり、その他企業の壁画やイラストマップなど様々なお仕事をさせていただいています。
小学校の先生が使うテンプレートやイラストなども制作しました。ここで小学校での経験が活きてくるから面白いですよね。

「イラストレーターって大変でしょ? 不安定だから大丈夫?」

今だにこれは言われることがありますが、まわりが言うだけ。
私自身はイラストレーターをマイナスに捉えることはありません。
なぜなら絵を描くことが好きだから。

フリーランスなので自分で全てをやらなくてはならないのでもちろん大変ですが、絵を描く仕事のためだから、書類をかく煩わしさも、人と会う大変さも、満員電車も我慢できる。
面倒くさいことも全て絵に繋がってると思うと、動けるし楽しめるのですよ。
好きなことに取り組むのだからポジティブに!これが大切ですね。

Q. 生徒たちに伝えたいことはありますか?

学校の共有スペースに、食わず嫌いを直しましょうという意味で、「食べたことないお菓子を食べよう!」とメッセージを書きました。
若い子たちは、好きなものは食べるけど、食べたことないものは嫌厭しがちだと思います。なので、まずは食べてみようと、生徒がとっかかりやすいお菓子にして書きました。

いろんなことに挑戦してみよう!という気持ちを込めて。
生徒たちには先入観で好き嫌いせずにいろんなことを体験してほしいですね。
それにより自分の世界が広がりますから。ひいては絵の勉強にもなります。

私は、月に1〜2回は美術館に行きます。また、ミステリを読むのが大好きで「本格ミステリ作家クラブ」の会員です。俳句も料理も好きですね。

そして今は、生徒たちと接するのが楽しみです。高校生のリアルな日常は驚きにあふれていますから。例えば、今の子は“プリクラに字を書かない”、そんな自分の時代との違いに驚いたり。触れ合っていると自分の世界が広がります。

生徒たちと接したことで、自分の仕事内容を振り返る良い機会にもなりました。
本当にたくさんのことを学ばせてもらって感謝しています。

生徒のみんなへ。
お互いに世界を広げ、もっと面白いことに挑戦していきましょう!

この記事をシェアする